引退するということ。

とにかく、あの日、川村亮選手に負けたことで正式に高橋さんの総合格闘技引退が決まった。俺はこの事実を潔く受け入れる。この人のファンで幸せだった。俺にとっても高橋義生は「趣味」であり「青春」だった。これほどまでに何かにのめり込む事はもう無いかもしれない。本当に長い間お疲れさまでした、ありがとうございました、と言いたい。


・・・と、この項、綺麗に締めるつもりだったのだが、もう少々。



写真は人喰い義生としてIGFに参戦した時に使用したオープンフィンガーグローブヤフオクで落札した本物だ(笑)。


先日の川村戦後、何人かの方に「高橋さんはもうプロレスもやらないんですかね?」と、尋ねられた。俺に訊かれても困るのだが、お陰で数年前にあったくだりを思い出した(笑)。

高橋さんがパンクラスを退団した直後あたりのことだっただろうか、
「俺がプロレスをやることについてみんなはどう思うんだろうね?」と訊かれたことがある。俺は深く考えることもなく「良いんじゃないっすかね。総合を引退した後でプロレスっていうのは全然ありだと思いますよ。」と答えた。すると少しだけムッとした表情で「いや、俺が総合をやめる時は全部をやめる時だから。」と言われた。


その時は高橋さんをイラっとさせてしまったことにすっかりビビってしまった俺は、それ以上言及することにすっかり憚られてしまったのだが(笑)、その真意が先日、会場で貰ったフリーペーパーに書かれていたのである。


ー ところで高橋選手はときおりプロレスのリングにも上がっています。MMAを引退しても、プロレスラーとしての活動は続けるつもり?



「それも総合を引退しなかったらですね。引退したらプロレスももうやらないと思います。総合を辞めてプロレスをやったら、プロレスをなめていると思われるのがイヤ。総合を引退したらプロレスもなしですね。」


数年越しに真意を知った。空気読めずに申し訳ない気持ちでいっぱいだが、読めないついでにもう一丁。


無しよでもう一丁もありだと俺はありだと今でも思う。どっちが上でも下でもない。


空気読めないのが俺。母ちゃん俺、俺。