kamipro


かつて他の格闘技専門誌と違った切り口でマニアの支持を得ていた「紙のプロレスRADICAL」。(以下紙プロ

前田日明氏やリングスを必要以上に持ち上げてみたりする偏りは有りましたけど、取材対象におもねらない姿勢が面白くて私も愛読していました。

そりゃあね。編集長の山口昇氏やライターの吉田豪氏に大好きなパンクラスを揶揄されて激怒したことは一度や二度じゃないですよ。好きか嫌いかって言えばむしろ嫌いでしたよ。



パンクラスも結構長いこと取材拒否してましたしね。



でもね、屈折してるかもしれませんが、好き嫌いと面白い面白くないは必ずしも一致しないのが世の常でして。

で、そんなこんなでブツブツ言いながら、パンクラスの記事が載っていないにも関わらず、(いや悪口は載ってたな)毎月購読してました。



ところがですよ。



誌上で連載されていた吉田豪氏の書評にDSEからクレームが付くや、あろうことか紙プロは彼の方を切ってしまったわけです。つまり、それまでの立ち位置を自ら否定してしまったというか。


以来、加速度的につまらない雑誌になってしまいましたね。巷で言われているように「DSEの広報誌」と化したのはそれからです。


狭い業界ですから賢明な選択だったといえばそうなのかもしれませんが、私も含めて落胆した人も少なくなかったのではないでしょうか。


昨年、紙プロは「kamipro」としてリニューアルし、開き直ったかのように「PRIDE」や「ハッスル」ばかり取り上げています。

それでも他のすっかり去勢された専門誌に比べれば百倍は面白いですし、商業誌としては間違いではないでしょう。



ただ、そこにかつてエキセントリックだった紙プロの姿はありません。