その後。


日曜日の試合ではKO負けを喫してしまった高橋さんだが、その日のうちに無事は確認出来た。

側頭部に膝蹴りを貰って無事もへったくれもないが、大事には至らなかったようで、私もひとまずホッとしている。

「負けてしまったけど、まだまだがんばる。」と、言っていた・・・。


格闘家とはつくづく因果な商売だなと思う。


何があろうと、ひたすら前進するしかない。


ただ、まずはダメージを抜くことに専念して貰いたい。それも仕事のうちだ。


先日の試合をビデオで検証してみた。身内目線と笑って頂いて結構だが、正直、やりようによっては大いに勝機は有ったと、思っている。


随分と前の話だが、本人に「もっとからだをいたわって、堅い試合をしてもいいんじゃないか?」と、進言したことがある。


が、ニコニコ笑ってスルーされた・・・。


だよな。そんな格闘家だったら好きになんかなっていない。ただ、せつなくもあるが。


勝負論としては間違っているのかもしれない。


だが、高橋和生はそうやって十数年、この業界で闘って来た。


ぶっちゃけ、このところの勝率の悪さに愛想を尽かしつつあるファンの方もいらっしゃるかもしれない。


だが、あの人はそういう価値観の世界の住人ではないのだ。


あと少し、もう少し、高橋和生という、まー、無器用な男を応援していただければ幸いだ。