白と黒の間。

大相撲がたいへんな事になっている。確かに道義的に問題はあるかもしれないが、別に誰が損をしたわけでもないのに散々な叩かれようだ。石原慎太郎が「そういうもんだと思って楽しめばいいんだよ。」と言っていたが俺も概ね同意見だ。そもそも「ガチンコ」などという隠語が存在する時点でそうではない取組も存在することは推して知るべしなわけで。だいたい、もう何年も前から板井なんかが週刊誌で内部告発し続けていたにも関わらず、うやむやになって来た事が何故このタイミングで暴露され、ここまでの騒動に発展しているのかが意味不明だ。昨年の野球賭博の発覚といい、どこかの偉い人が大相撲を潰そうとしているとしか思えない。まあ、いずれにしても昨今この日本という国も世知辛い世の中になってしまったものだ。なんでもかんでも白だ黒だと決め付けて叩きたがる。この国の行く末を憂うばかりだ。
話は変わるが、ガキの頃からプロレスファンだった俺は周囲の心無い大人からの「八百長を本気で応援するバカ」という誹りを度々受けて来た。プロレスに取り決めがあるという前提など誰もが薄々気付いていても、それを素知らぬ顔をして楽しめる懐の深さをプロレスファンは持ち合わせている。「可哀想に。バカはおまえらじゃ。」侮蔑と憐憫と諦念の入り混じった感情の中、俺は常々彼等を見ていた。
WWEの成功はカミングアウトにあり。日本のプロレス界もそうすべき。」という意見を散見するが、俺はそうは思わない。白か黒かでしか物を考えられないアホな思考はアホな欧米人に任せておけばよろし。マジでそう思っていたし、今でもそう思っている。日本のAVにはモザイクという文化がある。初めて洋ピンを見たウブな俺はショックのあまり吐き気すら催した。疑似かガチンコかそこが問題だ。ああ、俺、今、上手いこと言った。
脱線した。話を戻そうか。とはいえ、その一方で「このアホな大人をなんとか黙らす方は無いか。」と考えていたのもまた事実。そのムーブメントがUWFであったり、藤原組だったりしたのだろう。そして、全部ガチンコでスタートしたのがパンクラスだった。旗揚げ後、過酷なルールと日程で怪我人続出。懸案は続出だった。理想郷だと思ったそれは必ずしもそうではなかった。
冒頭に話を戻そう。全部ガチンコたるや、げに無情なり。今後、大相撲は望むと望まざるに関わらず、競技化への道を迫られるだろう。さて、どうなるのだろうか?